石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第五章 殖産製造

第三節 農業(下)


 一、耕作無沙汰ニ仕、納所等わだかまり、公事沙汰を取持、友(一作同名を)を引そこなひ、村中の費致し、又はむざと宿々町方に罷出、無用之買物仕、おごりたる百姓之候はゞ可申上。いたづら者を隱置候はゞ、村肝煎組合頭まで可越度事。
 一、收納方わだかまり申百姓、後日に相聞候はゞ、村肝煎組合頭・其組之十村手前、急度可穿鑿事。
 一、公儀をかすめ申立にも成まじき儀を申者は、いたづら者に候條、其組之十村・御扶持人方より、早速其旨御奉行所に可申斷。律儀成百姓公儀を恐れ何事をも不申上者は、十村・御扶持人見聞之通御奉行所に可申聞事。
 一、十村非分有之旨、御扶持人之十村迄小百姓斷有之儀を隱置、後日に相聞候はゞ御扶持人可越度事。
 一、十村申付儀、村肝煎組合頭違背仕間敷候。肝煎・組合頭より小百姓申付儀、是又致違背間敷候。若十村並御扶持人・村肝煎組合頭非分申懸候はゞ、小百姓よりすぐ御奉行所に可申斷事。
 一、御代官給人より人をつかひ賄(マカナヒ)いたさせ、又は非分等申懸百姓費之儀候はゞ、御奉行に可申斷事。附、にせ横目共外公儀御用之由かりこと申候はゞ、或とらへ或御奉行所に可相斷。何者によらず在々まわり、まかなひいたさせ錢置不申候はゞ、いたづら者に候條左樣に可相心得事。
 一、作貧米之儀、毎年秋初より十村共縮いたし、收納以前可取立。惣而作食米百姓共助成被仰付置事に候間、百姓中も添存無滯藏入可仕事。
 一、作食米は耕作丈夫にいたすべきがため利なしに御貸置被成候間、十村井御扶持人をかたらひ、如何樣の儀とも作食米引取候者有之候はゞ大罪に候條、小百姓よりすぐに御奉行に可相斷事。
 一、諸百姓に毎歳作食御貸被成候處、耕作手づかへ、時分過作仕付候村有之ば、村肝煎組合頭、其組之十村手前可吟味事。
 一、作仕付申時分、作毛苅申前、十村切々村廻いたし、諸百姓納所之縮無油斷吟味可仕。附、御扶持人之十村春夏秋三度いづれの組も手わけ仕村廻いたし、せこを入、諸事見聞樣子御奉行に可申聞事。
 一、御郡方に而御買物代並日用銀、月切に被下候條、自然不請取者候者、御奉行に可相斷。惣而百姓中に渡候子は時々相渡、取立申子は別に取立、十村・肝煎手前に而指引仕間敷事。
 右之通可相守者也。
    寛文四年六月  日                  御  算  用  場
〔河合録〕