石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第五章 殖産製造

第三節 農業(下)

組裁許の十村は二百十日の頃、又御扶持人十村は二百二十日の頃郡中を分擔巡視し、當年の作柄を實査す。之を二百十日廻り又は二百二十日廻りと稱す。次いで秋季の彼岸に入るときは、各村肝煎組合頭・長百姓を組裁許十村の家に召集し、當年の作柄に故障を見ることなきが故に實入り次第直に苅取り、歩入御定に從ひて納租すべく、夫銀も亦九月二十五日までに上納すべし。皆濟せざる間は新米を食ひ又は債務辨濟の爲に費消せざらしむべく監督し、既に皆濟したる時は皆濟状を得て之を提出すべしなどいへる條目を列擧したる帳册に印形を徴す。之を秋縮(アキシマリ)の御請といふ。この御請は一村毎に調印を徴し、一組の分を取揃へたる時は、該十村より改作奉行飛脚を走せ、當年の收納は御藏入・給人知とも悉く皆濟すべく、配下各村よりは某日までに秋縮御請を徴して見屆けたることを注進す。秋縮御請を爲したるものは、その後に至り決して違作の申立を爲すこと能はず。