石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第五章 殖産製造

第三節 農業(下)

百姓がその持高たる田畑を、自己・妻子及び雇人の勞働によりて耕作するを手作といひ、持高全部を手作すると、その幾部分を手作するとあり。後者にありては、餘剩の高を小高持又は頭振に耕作せしむ。地主より見るときは之を卸作といひ、耕作人よりは請作と稱す。卸作を爲すには歩卸によるを本則とす。その方法は、親作より地元若干を、その村の規定による合盛を以て小作に貸附するの契約成立するときは、卸状と請作状とを交換し、收穫終るときは卸付米を徴す。この場合に在りては納租その他の諸掛りを凡べて親作の負擔とす。又餘米卸といふあり、一に石卸又は檢校卸とも稱す。こは卸付米を、諸掛りを除きたる程度の額に契約して、小作は諸掛りを支出す。田地の請卸は一作限り契約を改むるを本則とすといへども、通常同一卸状を襲用して、田地割より次の田地割に至るの慣習を有す。