石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第五章 殖産製造

第三節 農業(下)

他人の賣却する高を購ひて己の持高とするを取高といひ、一に持添高又は取添高と稱することあれども、頭振たる者の初めて高を得たる場合に在りては單に取高とのみ稱す。之に反して、自己の持高たりしものを分割して他人に賣却するを切高と稱す。元和元年以降決して切高することを許さゞりしが、元祿六年よりその禁を解けり。但し切高を行ひ得る場合は、上納米の不足により、家財を賣拂ふも尚之を補塡する能はざる時に限らるゝを舊格とせり。而して穢多・藤内等は決して取高するを得ず。又他國他領の者に對しても切高を許さるゝことなし。
高 札
 一、御分國中在々所々、田畠賣買仕者有之付而は、惣年貢米、本村物成之並を以買主かたより可納所。但於作分者互に可申定趣事。
 一、田畠買取之砌、地主へ相渡候あたひ、金米錢によらず、當作之内を以本分可引取事。
 一、自今以後御公領分・給人知によらず、田畠賣買堅御停止之事。(下略)
    元和元年十二月二日                   横 山 山 城 守
                                奧 村 河 内 守
                                本 多 安 房 守
〔袖裏雜記〕
       ○

 一、田畠賣買仕候儀彌御停止候。若給人並下代等之證文を取、代米を渡申候共、相背御法度候條、毎年貢米之儀は作人より可申付候。田地買取候代物之儀は、買主可損事。(下略)
    寛永十四年三月十六日                  横 山 山 城 守
                                本 多 安 房 守
〔袖裏雜記〕