石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第五章 殖産製造

第二節 農業(中)

加越能三國の十村中約二十人は、承應二年より萬治元年に至る間に初めてより扶持を支給せられき。御扶持人十村又は單に御扶持人といふもの是なり。是より先前田利家の時、能登熊來村の太右衞門・相神村の孫六・大澤村の内記・粟藏村の彦右衞門・中居村の三右衞門等の諸百姓は各功勞により扶持を受けたりといへども、職務の十村たるが故に扶持を給はり、而して御扶持人十村の名あるに至りしは承應二年を以て初とすといはる。御扶持人十村は、諸郡打主付・定小物成取立人・散役裁許等を兼役とす。散役は散小物成といふに同じ。御扶持人十村は又自己の組の外二組三組の十村の示談に加り意見を述ぶ。之を廻り口と稱す。他郡の臨時御用に出役することもまたあり。