石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第四章 美術工藝

第九節 鑄工

平井氏ありて世々概ね但馬守を受領し、その家系は家元・家長・家永・家次・伊永等相繼ぎたりしが如し。されば鹿島郡餘喜村酒井永光寺なる五老峰の鐘銘には『萬治元龍集素秋如意珠日、冶工加州泉野住平井但馬守藤原朝臣家長』とせられ、金澤野田寺町立像寺の鐘銘には『干元祿元著雍執除林鐘上浣九烏、冶工加州金澤住藤原朝臣平井但馬守家永』とせられ、同妙法寺の鐘銘には『旹元祿三庚午季秋大良辰、藤原朝臣家永平井但馬』とせられ、江沼郡勅使勅使願成寺の鐘銘には『元祿十二歳己卯十月十七兩、鑄師加州金澤住藤原朝臣平井但馬守家永孫平井與四兵衞尉家次』とし、能美郡尾口村尾添鐘銘には『鑄師加州金澤住藤原朝臣平井但馬守家元末孫平井與四兵衞尉家次作、寶永三丙戌歳六月十有八日』とし、能美郡湊村願隆寺の鐘銘には『正徳四甲午鑄師金澤住藤原朝臣平井但馬守家次』とし、金澤御小人町廣濟寺の鐘銘には『享保第十九甲寅仲夏下旬鑄師加州金澤住藤原朝臣平井但馬守伊永』とし、而して金澤野田寺町妙典寺の鐘銘には『元文五庚申九月下浣八日成就、鑄師加州金澤住藤原朝臣平井但馬守伊永』とし、金澤二十人町慶恩寺の鐘銘には『寛延二己巳暦中夏上旬十日鑄師藤原朝臣平井伯耆守伊永』とし、金澤中欠原町唯念寺の鐘銘には『延享三丙寅秋七月吉旦本府鳧氏藤原朝臣平井伯耆守伊永』とあるを見る。