石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第四章 美術工藝

第六節 刀工

初代信友信國の後裔なりと稱し、天正十二年加賀に來ると傳ふるも、之に相當する作品を見ることなく、世上に多く存する信友寛永以降に在り。而して寛永の三代茂右衞門、慶安の四代平右衞門は概ね謹直なる作品を出し、技倆兼若一族に比して敢へて遜色なく、奧村因幡守和豐所持の銘ある一刀の如きは代表的傑作にして、志津一派に誤認せらるゝものなり。然れどもこの時代の作品の現存するもの尠きと、貞享以後の後代信友の手腕が著しく低下したるとに因りて、一般愛刀家は總べて信友を下作なりと信ずるに至れり。