石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第四章 美術工藝

第六節 刀工

七代の兼若を助太夫とし、その作品は殆ど傳はらず。世上兼若の僞物を指して助太夫の作なりとするものあれども、鍛壇衰運の絶頂にありて實に彼の造りしもの極めて尠かりしなるべく、未だ確實なるものを見る能はず。その三十七歳にして逐電し、又は轉業せりと傳ふるは生活上已むを得ざるによりしものなるべし。是に於いて辻村家の刀系斷絶す。