石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第四章 美術工藝

第二節 陶磁

春日山開窯の後僅かに二ヶ月にして、文化五年正月十五日金澤城炎上の變あり。これが爲に藩侯前田齊廣は三年間の參觀を猶豫せられ、五ヶ年間幕府に對する進献免除の恩典に浴する程なりしかば、内政亦隨つて緊縮を宗とし、國産として奬勵すべかりし春日山製陶所の經費補給も、勢ひ之を廢止せざるべからざるに至りしかば、木米の製作慾も實に索莫たるものありしなるべく、殊に京師に在りては彼の叔父が發狂するの不幸さへありしを以て、遂にこの年冬に至り歸洛の途に就けり。