石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第十節 佛教

慈影、天香と號し、香温院と稱す。天保八年十一月越後刈羽郡中濱村一向宗東派勝願寺に生まる。幼より伯父香樹院徳龍講師の薫陶を受け、又藍澤南城に儒學を習ひ、安政元年十八歳にしてに出で學寮に入り、五年擬寮司となり、文久三年寮司に進む。次いで明治元年宗主嚴如の命を奉じ、名を中川誠一郎と稱し、長崎に赴きて基督教を研究し、傍らその宣布の歌を視察す。六年擬講に進み、七年江沼郡大聖寺町願成寺の住職を襲ぎ、龍山氏を冐し、二十九年嗣講に進み、三十四年講師を經、大正十年一月四日僧正に補せられて示寂す。年八十五。