石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第十節 佛教

凡そ加賀藩内に在りて時宗の法流を汲むもの、上記玉泉寺を除けば、越中高岡に淨土寺ありしのみ。是を以て藤澤清淨光寺の遊行上人が來錫するや、必ずこゝに淹留して布教するを例とせり。而してその事の文献に見えたるは、寛永五年に第三十五世法爾が淨禪寺に駐錫したるを初とし、寛文十一年には第四十二世南門來りて玉泉寺に居り、元祿元年十一月には第四十三世尊眞亦同寺に入れり。この時待遇頗る慇懃、先づ舊例により使者を派して白五貫目と米百五十俵を贈り、翌年三月尊眞の去るに臨みまた物を贈りて敬意を表せしこと政鄰記に見えたり。その後相繼いで來錫せるものに、元祿十一年第四十六世尊證あり、正徳三年第四十九世一法あり、享保十三年第五十世快存あり、延享元年第五十一世賦存あり、明和九年第五十三世尊如あり、寛政五年第五十四世尊祐あり、文化十二年第五十五世一空等ありて、法會の式、の賜與一に前例に據れり。

 元祿元年十一月十一日遊行上人來著。御使番和田牛之助を以大和柹・島海老被之。町奉行和田小右衞門を以白五貫目・米百五十俵被之。是如舊例。翌年三月四日御使番平田清左衞門を以卷物一折被遣、同八日御使番由比孫兵衞を以八講布廿疋・福野干瓢一箱被之。
〔政鄰記〕