石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第八節 科學

加賀藩の本草學はこゝに至りて大に衰ふ。後羽咋郡町居村の人に村松標左衞門あり。諱は紀風。尚志軒と號す。京都に赴きて小野蘭山の門に入り、本草學を修む。曾て老臣村井氏に仕へ、關東に赴きて朝鮮人參の栽培法を傳へ、長崎に至りて甘蔗の植栽を研究し、又紀州に遊びて蜂蜜の製法を明らかにせり。天保十二年歿す、享年七十九。著す所大和本草大意・救荒本草啓蒙等あり。その腊葉帖二十一册は現に石川縣物産陳列所に藏せらる。