石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第八節 科學

石黒信由、通稱藤右衞門、越中射水郡高木村の人なり。信由關流算法の秘奧に通じ、特に宮井安泰に學んで測量を能くするを以て、屢命を奉じて各地の丈量に從事し、文政元年四月新田裁許に任ぜらる。同二年以降信由加越能三州地圖の作製に從ひ、七年加越能略地圖及び村名簿三册を製して之をに上りしに、はその功を賞するに五人扶持を以てし、その他檢田測地に從ひて賞賜せらるゝこと前後數回に及べり。天保六年加越能三州地圖成る。前田氏の領國に完全の地圖あるもの、之を以て初とす。七年信由射水郡年寄の班に列し、同年十二月三日を以て歿せり、享年七十七。著す所測遠山崎流等あり。信由の門下五十嵐篤好は礪波郡内島村の人、亦新器測量法等を著し、晩年金澤に住して文久元年に歿せり。