石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第六節 俳諧

古來、森下屋氏、名は甚兵衞。能美郡安宅に生まれ、金澤の町役人となる。俳諧眉山に學び、初號を固來といひ、所居は孤凮庵、後に松裏庵及び幾曉庵を繼席せり。曾て猿丸宮集を珍藏す。即ち集中の句若干を拔き、加ふるに近世諸家の吟を以てし、之を刊行して後猿丸宮集といへり。時に文久二年にして、古來の齡七十七なりき。明治以前に歿す。『鶯の來よいか背戸の柹畠』『湯の町や幾度蝶にかす袂』等の吟あり。