石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第六節 俳諧

晩籟、中江氏、通稱松屋伊兵衞。鳳至郡輪島の人。俳諧梅室に學び、松濤・公樹園・白翁等の別號あり。その家漆器製造を業とせしを以て、常に攝に往來し、傍ら名蹟を探り、細道の栞・宰府紀行・吉野行脚・更科の杖等の著あり。安政二年八月十二日齡六十八を以て歿す。翌年その追悼集成り、題して三富集といへるは、家産に富み、風雅に富み、子孫に富めるを祀したるなりといふ。『萬歳の孫子にゆづる笑顏かな』辭世『治定して見たる夜もなし秋の月』などの句あり。