石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第六節 俳諧

闌更と前後して物故せるものに馬來後川・玞トあり。馬來は上田氏、金澤醫師にして名を養元といへり。俳諧闌更に學び、所居を初め園亭といひ、次いで柹丸舍又は槐庵に改む。皆初世なり。寛政三年鵜の音を著し、四年七月十二日歿す、享年五十四、大乘寺に葬る。『黄鳥の見ゆる所に初音かな』『菜の花に寒き雨ふる越路かな』等の句あり。馬來寶暦十三年同門の青野と共に選べる俳諧月あかりは、附句の秀逸なるものを拔萃し、添ふるに狐貍窟夜話を以てせり。狐貍窟夜話は闌更がその師希因より聞く所の俳論なり。既白月あかりの序を作る。