石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第六節 俳諧

鏡花坊一號迷山。法名如達、羽咋郡菅原村明專寺の僧、後河北郡談議所村養法寺を中興して之に住す。鏡花坊見風の門に出でゝ俳諧に遊び、超然として一見識を有せり。時に江戸の綾足、亦氣を負ひて一世を睥睨し、片歌二夜問答等の書を著して、盛に芭蕉を破するに努む。鏡花坊乃ち明和二年花月一夜論を出して綾足を辯難せしに、綾足はとはじ草を編して之に酬いたりき。綾足は往年來北して道を見風に問へる涼帒の後の名なり。鏡花坊の句には『さゝくりし障子に蠅や小六月」『はつ雪やさいはひ墨の旅ごろも』などあり。安永八年十月二十八日歿、享年五十二。