石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第六節 俳諧

楚常石川郡鶴來の産なり。金子氏、名は吟市。元祿元年七月二日歿、享年二十六。楚常の歿せし時一句集を遺しゝかば、句空北枝二人之に増補し、元祿四年公刊せり。卯辰集即ち是なり、その追悼の集は後人假に題して楚常手向草と稱す。楚常の死に對して、北枝は『來る秋を好けるものを袖の露』といひ、牧童は『月薄もし魂あらば此あたり』といひ、一笑は『うそらしやまだこの頃の魂祭り』といへり。楚常『川端にあたま剃りあふ涼みかな』『住めば住む名もなき町よ秋のくれ』等の句あり。