石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第五節 國學(下)

富田景周の傳は之を漢學の條に掲ぐ。その學漢文を宗とすといへども、なでしこ二卷の如きは國文を以て書かれ、又越中萬葉考及び楢葉越枝折の如き萬葉集に關する著述を有す。文政十一年二月二十日歿、年八十三。景周の母は奧村忠順の女にして名は愛、青楓と號し、七歳にして既に自ら和歌を詠ず。長ずるに及び冷泉爲村の門に入り、屢褒詞を受く。家集青楓秋露の外著す外の書數種あり。今その歿年を詳かにせず。