石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第五節 國學(下)

多賀直秀、寛文三年前田綱紀に仕ふ。直秀延寶二年同僚關屋雲八郎と城中に鬪ひて創を被り、因りて能登の鵜浦の謫所に住す。後直秀詩歌各一首を作りて弟直方に示せり。その歌に、

 五月雨の軒の雫はそれならで世をわび人の袖ぞぬれける

數年を經て召還の命を得たりといへども、辭して歸らず。享保十年歿す、年七十九。