石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第五節 國學(下)

菅眞靜、中院通茂の門人にして、和歌を能くし、最も國學に長ず。前田綱紀中年以後源氏物語を讀み、屢書を通茂に贈りて疑義を質しゝも、その親炙の機なきを嘆ぜり。寶永三年通茂門人眞靜を綱紀に奬めて曰く、侯若し源語の奧義を得んと欲せば眞靜を任用せよ。余秘鑰を擧げて盡く彼に傳へ、彼をして更に侯に傳へしめんと。綱紀乃ち之を祿せり。是に於いて眞靜江戸金澤の間に往來して講を進め、爲に源語釋義十卷を作れり。