石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第五節 國學(下)

澤橋兵太夫宇喜多秀家の長子八郎の乳母の子なり。成童にして書を讀み、和歌を詠じ、頴悟衆に異なり。前田利常二百石を以て之を召す。後致仕して僧となり、常珍坊と改む。その江戸に在るや、堺町に僑居し、青樓と相隣る。常珍坊人の介する所となり、娼家に至りて源語を講じ、強ふるに任せて酒を御し肉を啖ふ、而も汚行なし。寛永の末金澤に歸り、還俗して再び利常祿せらる。