石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第四節 國學(上)

下りて寶暦・明和の頃に至り、田中式如の義子朋如あり、文才煥發、古語の語原的解釋を試み、倭語拾補十五卷を撰す。その説穩妥にして、貝原益軒一派の語原論に似ず、最も貴重すべし、而して朋如の門下菅野恭忠が、音韻の學をこの地に流行する謠曲發聲の理に應用して、謠要律を著したる如きは、最も學問の郷土化せるものにして頗る珍とすべし。後に堀麥水謠曲註釋の書を著して寶生流謠曲諺解察形子といひ、佐久間寛臺が終にその内外四十二卷を大成して謠言粗志と題したるも、亦同一傾向の發露なり。