石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第三節 漢學(下)

安井顯比、通稱和介、字は士順、綿山又は青軒と號す。學を好み、詩文を能くし、永山平太東方履等と相往來す。明治元年三月軍防局會計頭取役を命ぜられ、四月内國權判事に任じて新潟裁判所に在勤し、兼ねて會津征討中軍防局の事務を兼ぬること尚舊の如くならしむ。五月前職を免じ、越後府權判事となり、七月判事に進み、次いで務に當るが爲に請ひて判事を免ぜられ、二年八月金澤藩權大參事と爲り、三年四月金澤藩知事の公議人となり、十一月權大參事を罷め、四年正月前田氏の家扶となりしが、尋いで之を辭せり。十七年居を東京に移して悠々殘年を送り、前田家の爲に藩吏編纂の事に與り、尋いで舊諸藩故老の聯合して史談會を開くや、顯比は加賀藩を代表して之に列し、二十六年九月七日中風を病みて歿す。享年六十九。
除   夜
 蹉跎歳將盡。雄志奈伸。海國驕胡逼。廟堂姦吏親。死生唯付命。窮達不人。俛仰風塵裡。還迎物候新

戊辰秋日偶成
 秋風入樹月光涼。不識何時得小康。誤載虚名海外。慙無一事報君王

太 平 時 雨中觀
 千紫萬紅最麗時。雨。懶鶯嬌囀尚停枝。惱吟脾。翠幙迎歡謀一醉。有清配。江鮮膾炙上。動春嬉