石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第三節 漢學(下)

中村順二郎、初名は順之助、菜窩・心華又は頓了と號す。文久三年正月加賀藩の御書物出納方を命ぜられ、同年六月明倫堂御書物出納方となり、九月海防の爲に越中東岩瀬詰となりしが、元治元年正月本役に復し、慶應二年六月明倫堂訓導格となり、明治元年越後戰役に從ひ、二年明倫堂助教加人を命ぜらる。廢の後、八年九月前田利嗣漢學教師を囑せられ、爾後東京に赴きてその職に從ひしが、晩年禪門に入り、十五年七月を以て歿す。
芝田營中作
 殺氣捲天暗虜塵。懸軍萬里不親 多情唯有戌樓月。偏照賦詩横槊人。

越中櫻谷作。山上安石羅漢五百軀故云。
 絶壁雲迷楞巖薹。一眸驅處萬象開。定知五百石尊者。輙取靈山風景來。