石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第三節 漢學(下)

龜田景任、字は舜年、商齋と號し、その名を修して任といふことあり。林翼の仲子にして、瑜の義弟なり。出でゝ龜田氏を繼ぐ。性温藉にして客を好み、詩を善くし、又和歌に通ず。弘化元年八十の壽宴を張る時詠ぜし和歌、君侯の聞に達し、開院宮愛仁親王及び冷泉爲全の詠草、並びに黄金を賜ひて之を褒せられ、世以て異數の幸と爲す。遺詩一卷あり。
春   草
 四郊一色草如烟。嫰葉萋萋欲天。雨染濃藍遠近漲。風吹細浪高低連。王孫未返平蕪滿。南浦牽愁晩靄纏。江岸晴光窮目處。懷人長路意茫然。