石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第三節 漢學(下)

陸原淳、字は之淳、通稱大次郎、藤蔭又は蒼厓と號し、その室を水石居と名づく。元と越中の農なり。幼より漢學を好み、盛名藉甚たるを以て、奧村榮實之を召して儒臣たらしめしが、後擢でられて明倫堂教授となり、藩侯の侍講を兼ねたり。嘉永五年隱居して草齋と號す。孫愼太郎、名は惟厚、才學あり。淳の後を嗣ぐ。
重刻菜根譚跋
 水動則不物。靜則照物。何則以靜者明。動者闇之故也。友人林孚尹君。近獲洪自誠所著菜根譚。欣然大喜。若寳珠。然不敢自私。欲重刊公之于世。乃手繕寫。以命剞劂。先是余聞此書名、而未見。至是初得。反復閲之。其所説沂道徳之源。索事物之理。悉人情世態分縷析皆達其微密。而其箴戒之意懇到痛切。雖使頑者讀之。〓然將省祭矣。蓋洪自誠靜修之君子也。而察物觀世於靜適安怡之郷。故其識愈深。其見愈高。而其言精絶奇警。至於出人意表也。是所謂以靜者明之故歟。鳴嘑是書之行也。余知讀者其猶闇中掲明鐙而不道路也。於是孚尹君此擧。亦見益世之功特大矣。余爲之不抃躍。文政壬午孟夏加賀陸原淳於水石居