石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第三節 漢學(下)

澁谷潜藏、諱は亮、松堂又は獨淥子と號す。越中礪波の人、金澤に來り住す。潜藏學を好み、老莊浮屠より稗史小説に至るまで讀まざるなく、以て六經の研鑚に資す。亦易を能くし、其の見る所一家の獨創に係る。嘗て大學辧・志學辧・詩因・窮鬼夢談・蝙蝠學士論等を著し、以て平生の幽憤を漏す。潜藏又字義に精しく、恒に秦漢以來古義を失ふを以てその説を立て、爲に識字掲標等の書を編す。又詩書畫を能くし、詩は一種の風骨あり。著す所梧窻詩話あり。寛政九年二月二十一日、享年七十にして、横山國卿の教授に終る。
草堂書懷
 小吏餘間日。觀書及五車。倦來醫病鶴。種去愛嬌花。陋癖名難。狂愚酒易賖。斯天眞可樂。跳躍井中蛙。