石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第三節 漢學(下)

不破浚明、一名は嚴、字は和平、南臺と號す。篤敬の子なり。藻思蔚然、詩を以て一世に冠たり。格調雄渾にして明人の口氣あり。前田重教その才を愛し、恩寵並びに至る。浚明の學、初め古義を唱へ、父篤敬と大に趣舍を異にす。前田治脩新井白蛾を聘して學舍を設くるや、浚明選ばれて黌職となる。是よりその學遂に朱氏に歸す。浚明曾て旨を奉じて聲準六卷を作り、又貞觀政要を解して之を上れり。
聽   雨
 不是巴山雨。聲來愁緒侵。忽兼霜葉響。更打碧蘿深。板屋三間下。風篁十畝陰。弦中第二調。瑟瑟擬音。

中秋侍公讌
 秋風吹滿漢臣衣。清露湛湛自不微。莫問人間雲霧色。月宮今拂桂花歸。

浚明子あり、新介といふ。才學ありて詩を能くせしが、亡命して到る所を知らず。