石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第三節 漢學(下)

林弘道、名は玉汝、字は成夫、青丘又は龍野と號す。通稱孫太郎。人と爲り魁奇傲邁。その六經に於けるや、從頭直下桑門の佛典を誦する如く、以て俚耳を驚かす。弘道又世儒を痛罵して假さず、徧く古今の事態に通じ、凡そ漢土の竹帛に載する所より、本朝の典故記事、和歌者流の言辭に至るまで該博遺す所なし。而して文章は則ち英發超絶、葢し當世の學士も、その機鋒を避くること三舍のみならず。實に卓然たる快儒なり。惜しいかな天年を假さず、未だ壯ならずして歿す。或は曰く二十五と。享保・元文の間の人。
大悲閣
 騷人相伴梵王宮。霜落四山萬木紅。又恐明朝秋色減。溪雲欲雨滿樓風。