石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第三節 漢學(下)

庄田正守、初の名は考叙、鼓缶子と號す。奧村榮政の老臣なり。故ありて仕を絶たれしが、承應三年前罪を赦されて榮清に仕へ、遂に前田綱紀に臣事し、老後夕齋と號す。正守文藻あり、又和歌を能くし、且つ鈴韜を有澤永貞に學ぶ。永貞修辭に嫻はず、故に文の重んずべきものに會へば正守をして代り筆せしむ。その作るところ甲州武田家四將圖傳・奧村榮尚所藏戎器來歴の如き粲然見るべし。貞享二年歿す、年七十二。
亡兒通知
 昨夜夢亡兒。清揚平日姿。自言沉痼瘉。或出仕途馳。付囑保生訣。嗟嘆鞠育虧。屋梁纖月落。簾外淡風吹。方寐摽然辟。猶存彷彿疑。即今端午曉。將小祥期。枇杷愁涙顆。楊柳斷腸枝。蕉鹿驚心世。杜鵑泣血時。綿綿思往事。何處見通知