石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第三節 漢學(下)

前田知雄、通稱大學修理知頼の男にして、相尋ぎて執政たり。知雄は南窩と號し、記性ありて歴史を背誦す。詩は則ち父子並びに懦弱にして氣骨に乏しく、賞するに足るものなし。知雄の弟に半七郎直喬ありて夭せり。その詩力兄に及ばざること更に遠し。
乙丑中秋無月                 知     頼
 今宵對月欲明。雲滿旻天晴。想像萬家詩酒興。樓中隱几至深更

冬日山居                   知     雄
 東門一度自冠。已足三旬九日餐。積雪山中人不到。窗前夜夜月光寒。