石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第三節 漢學(下)

前田誠明、字は似閑、通稱左七日市侯前田利豐の第四子なり。綱紀の族たるを以て、請ひて加賀藩の臣となる。人となり風流、居恒詩を好み、常にその空知閣に端座して沈吟す。一時本多政敏岡田重元伊藤由貞等と相徴逐し、數〻宴をその閣上に開きて詩を賦す。格調老蒼一種の氣味を帶ぶ。
篠原懷古
 蕎里一堆懷舊切。怒潮千載北溟風。首懸松老餘青操。鬂洗水深貫白虻。志異買臣錦繍。齡如呂望羆熊。篠原戰破終無頼。悔使源軍出越中

新   正
 四十九年非不疑。鞠躬新覺世間癡。盪胷渉雪成春意。可笑老梅花較遲。