石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第三節 漢學(下)

大庭久浮、字は徳基、松溪と號す、平安の人。加賀藩の醫となり、詩を好み書を工にす。首夏の一夕奧村忠順の風月亭に會す。時に天邊の子規、數聲裂帛の如し。座客皆曰く、子規の啼くや常に飛中に在りて停止の時にあらずと。久浮その短見を笑ひて曰く、子規豈停止の中に鳴かざらんや。顧況謂はずや、『庭前有箇長松樹。夜半子規來上啼。』と。人その頓捷を賞す。
壽某君五十
 南極星輝何處新。燕城共指錬丹人。紅桃花發三千歳。金杏陰深五十春。堂上酒斟先液美。郢中歌和鳳簫頻。能文那有相如渴。道骨羨君比大椿