石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第三章 學事宗教

第二節 漢學(上)

大地文寶蕙齋は昌言の裔孫なり。能く祖訓を守りて濂洛の學を固執し、性瀟洒にして詩書を好む。蕙齋の江都に在りし時、市川寛齋・大窪詩佛・菊池五山等と訂盟往來せり。柴原善稻垣韶またこれと時を同じくす。韶の門多く明倫堂學士を出しゝが、就中八十島嘉最も詩書に名を得たりき。
件正・細合離は、共に浪華の商賈なり。來りて金城に寓し、詞壇に翺翔す。又津田養ありて一時藝苑に雄視し、山本北山盛に之を推賞せり。同時に津田鳳卿あり、前田治脩齊廣の二世に仕ふ。鳳卿博覽強記考證該博、最も史學を好み、能く韓非子を讀む。詩賦の學は、その本領とする所にあらずといへども、一時名聲を擅にせり。