石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第二章 儀式慣習

第二節 風俗

七月九日、四萬六千日と稱して觀世音の祭日とす。城下觀音院には賽客群參し、順禮の詠歌を高唱すること宵より曉に達す。この日玉蜀黍を炙り食すれば禍を免れ得べしと信ぜらる。葢し山崎美成の三養雜記に、四萬六千日は觀音欲日の一にして七月十日に當るとせらる。然れば金澤に於いて九日に行ふものはその逮夜なるべし。同書にまた、江戸にて此の日專ら玉蜀黍を賣ることは文化の末に初り、雷除の効ありとすといへば、金澤に於ける如く廣く除招福の意義に解するものは稍轉化せるものなり。