石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第二章 儀式慣習

第二節 風俗

四月朔日、今日より袷を着る。朔日・二日城下觀音院神事能あり。諸橋・波吉の兩大夫、隔年交代して技を演じ、終りての賜與を受く。町奉行二人・先手物頭二人・横目二人・町同心四人・歩横目二人監規の任に當り、町役人は樂屋を取締り、町足輕は場の内外を警固し、割場足輕も亦出でゝ之を助く。見所には外圍を作り、木戸を設け、舞臺正面・脇正面・地裏には、城下本町町人の爲に棧敷を構ふ。これこの興行の諸經費及び裝束の製作費等、皆本町の負擔する所なればなり。地子町等のものは通劵を購ふにあらざれば入るを許されず。武士に至りては係員以外全く出入せず。唯その幼年者のみ、町人に從ひて僅かに觀覽し得るのみ。