石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第二章 儀式慣習

第二節 風俗

正月二日、少年等書初を爲し、之を歳徳神に捧ぐ。男兒の試筆は『春風春水一時來』の如き佳句を撰み、傍に歳徳大善神と記し、女兒に在りては『新玉のとしの始に一ふでそめしなり』の如き短文に、歳徳御神と書き添へ、末端に姓名を署し、共に奉書紙を用ふ。歳徳の神棚を撤したる後、この書を土器に入れて蒸燒とし、灰燼を果樹の根に散布するときは、夏期に至りて虫害を免ると言はる。この朝、商家に在りては夜半より賣初をなし、街頭雜閙を極む。