石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第二章 儀式慣習

第二節 風俗

正月元日、この日早起して若水を汲み、雜煮を調へ、屠蘇酒を飮み、家族互に歳始を祀す。雜煮の材料は、餠・昆布・松魚・芹・蕗の薹・芋頭等とし、箸は勝木を、盃は土器を用ふ。日暮に至れば寶船を賣り來る者あり。七福神の乘れる寶船の圖に、『長き夜のとをのねふりのみなめざめ波のりぶねの昔のよきかな』といへる回文を題したる半紙の摺物を賣るなり。蓐下に之を敷きて寢ぬれば、吉夢を得べしと信ぜらる。