石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第二章 儀式慣習

第一節 典禮

二月朔日、河北門・石川門・橋爪門及び三丸の番人等は、服紗小袖・麻上下を着し、その他儀式に關係ある諸吏も亦之に準す。この日藩侯は、服紗小袖・麻上下を着して小書院に出座し、小松城番及び先に出頭せざりし頭分の禮を受け、次いで矢天井之間に於いて、先に出頭せざりし遠所在住の平士その他諸士の禮を受く。而して今日尚出席する能はざるものは、重ねて賜謁の事なく、年寄にして本日登城し得ざる場合には、必ず家老を代理として拜禮せしめ、献上の物を献ぐ。諸小頭・與力の輩にして、年頭御禮の當日出席せざりし者は、翌日より勤務するも、謁見を得ざるを例とす。この日又朔望に當るを以て、前記の拜禮終りたる時は、藩侯大廣間に出座して物頭以上に賜謁し、御用番之を披露する時藩侯は『目出度』と御意あり。之に對して年寄の中上席の者、『毎度御目見被仰付有仕合奉存』と言上し、終りて藩侯居室に入る。藩侯不在の年には年寄之に代る。登城謁見する者の服裝は、服紗小袖・麻上下なり。朔望佳節の登城謁見は之を出仕と稱す。