石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第二章 儀式慣習

第一節 典禮

次いで藩侯は大廣間に出座し、三丸に於いて射初の式を行ひたる射手裁許・射手及びその嫡男等に謁を賜ふ。この日また鐵炮打初の儀あり。異風裁許・異風・その嫡男等之を勤め、年寄一人藩侯代理として臨場す。又藩侯の居室に近き馬場に於いて乘初の式あり。若し藩侯自ら試乘する時は、一兩人之に陪す。次いで射初打初乘初を行ひたる者を、松之間二之間に召して祝儀の目録を賜ふ。下賜品は、射手裁許・異風裁許・馬奉行に麻上下一具宛とし、以下各差あり。次いで土地の間に於いて、射手・異風の輩に雜煮・吸物・取肴・酒を賜ひ、乘馬の徒は賄席に於いて一汁三菜・取肴・酒を、歩並の乘馬者には一汁二菜・煮物・取肴・酒を、仲間小頭・足輕足輕並には一汁二菜と酒とを與へらる。この日又馬洗の儀あり。諸場・諸役所の吏も、用初と稱し、初めて出勤すといへども、尚事務を取らず。互に賀詞を述べたる後、直に歸宅するを例とせり。