石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第二章 儀式慣習

第一節 典禮

藩侯江戸に在りて、火災に際し、臣屬を率ゐて外出する時は、その服裝の制更に嚴重にして、火事羽織は凡べて黒色なるを着用す。襟は白色を普通とするも、人持・定番頭・奧小將の士に限り白色以外たるを許され、襟の留りは、歩以下必ず之をそぐべく、與力以上は隨意と定めらる。鎗は人持に在りては色の短册二枚を付し、その他は赤色の短册を付す。合紋(アヒモン)は、裾に石疊を附するを使番とし、裾に半月を附するを表小將横目とす。歩小頭は三ッ鳥居を紋とし、新番御供役は裾に水玉を附し、歩横目は鳥居を紋として裾に水玉を附け、歩は鳥居の紋を用ひ、足輕も亦一定の合紋ある羽織を着す。乘馬の資格ある者出動する時は、晝は金の梅鉢紋を付したる馬杓を、夜は飛字を合紋とせる提灯を用ふ。笠は凡べて塗笠なり。