石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第一章 制度法規

第四節 租税

前田氏の初期に當りては、金澤の城下に主要なる市坊八つあり。西町・堤町・南町・金屋町・松原町・近江町・安江町・材木町即ち是にして、世に之を尾山八町と稱へ、本町とせり。但し是等の中堤町・南町・金屋町は後世とその位置を異にし、材木町は位置と共に名稱を異にせしが如し。又本町の外に袋町・博勞町・今町・河原町・大工町.竪町・石浦町を七ヶ所と稱し、本町に本役即ち夫役役銀とを課するに對して、七ヶ所には半役即ち夫役のみを課し、七ヶ所以外の地子町・門前地等に至りては、夫役・傳馬役共に之を上納すべき義務なしとせり。次いで袋町・博勞町・今町・河原町・竪町・石浦町を本町に列し、新竪町・傳馬町・鍛冶町・安江木町・石引町・御小人町・四丁木町・金屋町[移轉 後の]を半役地と定む。その内大工町の本町とならざりしは拜領地を混ぜし故なるべし。元祿の頃に及び、野町・片町・川南町・木倉町・河原町・竪町・南町・石浦町・上堤町・下堤町・横堤町・御門前町[西町一部及 び松原町]・十間町・中町・上今町・下今町・常福寺上地町・上近江町・下近江町・光專寺上地町・袋町・博勞町・桶町・桶片原町・上安江町・下安江町・横安江町・乘善寺上地町・荒町・鹽屋町・新町・鍵町・尾張町・橋場町・上材木町・下材木町・森下町・觀音町[南 側]を本町とす。これ一は尾山八町の分裂したると、一は新たに殷賑の地を加へたるとに依る。當時石引町・四丁木町・金屋町・高道町・鍛冶町・鍛冶片原町・安江木町・六枚町・十三間町・五枚町・傳馬町・新竪町・犀川荒町の十三ヶ所を以て半役地としたりしが、文化の頃に至りては、石引町・同後町・馬坂新町・御小人町・四丁木町[一番丁 二番丁]・觀音町[北 側]・金屋町・高道町・鍛冶町・鍛冶片原町・安江木町・六枚町・十三間町・五枚町・傳馬町・新竪町・犀川荒町・十九間町の十八ヶ所を半役地とせり。但し十三ヶ所といふも十八ヶ所といふも、唯一の御小人町を除く外は、皆七ヶ所の分裂したるものなるが故に、その町數の幾何なるに拘らず、尚呼ぶに七ヶ所の總稱を以てせり。かくて金澤市坊は、本町・七ヶ所と稱する地子町及び普通地子町の三種に分かたれ、而して本町夫役役銀及び職に懸る上納銀の三種、七ヶ所の地子町に在りては夫役・地子及び職に懸る上納銀、普通の地子町に在りては地子及び職に懸る上納銀を納晩する義務を負ふものなり。