石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第一章 制度法規

第三節 司法

死刑又は疵附追放に處せられたる者の附加刑に闕所あり。犯人の士人なるときは、屋敷地及び家屋を普請會所に沒收し、町人なるときは町方に下附す。又百姓なるときは家屋と農具とを居村に下附し、土地は改作奉行之を處分するも、頭振は土地を有せざるが故に家のみを下附す。犯人の所有せる金諸道具は、悉く公事場に沒收せらる。但し親懸りなる時は父子の財産を區別し難きを以て、天和元年之を沒收せずとし、犯人の妻及び娘の衣類諸道具も亦元祿十三年之を除外することゝ定めたりき。又犯人が債權を有する米錢は、之を回收したる上沒收し、その債務に屬する米錢は、犯人の資産中米錢の現在する限りに於いて辧濟するも、諸道具の賣却代に及ぶこと能はずとせり。質商闕所とせらるゝ場合は、元祿四年質物を元錢にて本主に還さしめ、流質物に限り闕所に附せしむ。質物の中に本主の不明なるものあれば之を調査せしめ、尚知り得ざる場合にのみ闕所とすべく、賣懸等は凡べて回收すべきことを定めらる。寺庵の住持死刑に處せられ、寺院破却せしめられし時に於いては、從來その處分一定せざりしを以て、天明五年寺院と佛具とを頭寺に與へ、殘餘の諸道具を闕所すべしと規定せり。疵附追放にあらずして軍に追放に處せられたるものゝ闕所に就いては、士人の場合には、その時々年寄中の議に附すべしとせられ、農民の場合には、居屋敷・家屋・農具を沒收して入百姓に與ふれども、その他の動産に及ばずと規定せり。