石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第一章 制度法規

第三節 司法

農民の刑は、その輕微なるものにありては、農業稼の外律徊留・居村の外徘徊留・徘徊留・追込・組裁許え預・手錠縮を以而組裁許え預あり。追込は身柄を組裁許に預け、番人を附するものとし、組裁許え預は裁許より更に村役人に預け、又番人をして晝夜監視せしむ。手錠を以而組裁許え預も亦之に同じく、その手錠を施すは所刑の趣旨にあらず、一時取締の爲に用ひたるを遂に流例とはなれるなり。手錠の期間は概ね二十日に過ぐるを許さず。疾病の際は片手にのみ之を施し、療養に便ぜしむ。村役人の微罪には、御用之外徘徊留・指扣・御用之外指扣あり。稍重きときは役儀取放あり。更に重きときは、その普通民たると村役人たるとを問はず、入牢・所縮又は追出に處せらる。追出とは、田地家財を沒收したる上居村より放逐し、他郡の住民稀少なる地に移すものにして、妻子も亦之に隨ふを要し、その住所の定まらざる間は裁許預又は入牢となす。農民裁判郡奉行の管掌する所なるも、御領國追放及び死刑は重刑なるが故に、公事場奉行裁判を經、藩侯の承認を得ざれば之に當つるを得ず。但し農民の徒黨を結びて人家を破壞せし時、改作奉行より藩侯の決裁を仰ぎ、足輕をして斬せしめし異例あり。

博奕停止高札 石川郡鶴來町役場藏