石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第一章 制度法規

第三節 司法

士人にしてその體面を維持する能はず、或は職務上重大なる非行ありたる時は、知行召放處分を受く。知行召放は即ち俸祿の全部を剥奪せらるゝものにして、此の場合には家屋敷を沒收せらるれどもその家財に及ばず。知行召放改易とは稍異なり。即ち前者は藩侯より與へられたる判物・印物はその親戚に保管せしめらるゝも、後者は判物・印物の上納を命ぜらる。又廩米を以て俸祿を給せらるゝものゝ除籍せらるゝ場合に在りては、之を扶持被召放と稱す。算用場等の小吏にして、用聞商人に瞞着せられ、の買上物品代金の下附方法を誤り、又は足輕等にして番所に在るとき怠慢の擧動ありたるもの等、この處分を受く。又士人にして、知行を召放さるゝに至らず、僅かにその一部を減殺せらるゝものは、減知の名目あり。その失錯役儀の上にのみ留りて、役儀を褫奪せらるゝものは、役料知を沒收せらるといへども知行に及ばず。之を役儀御免と稱す。此等は素より士人たる地位を持續することを得。