石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第一章 制度法規

第三節 司法

所罰の一種に、犯人を里子とすることあり。里子とは、前田綱紀の時より、僕婢の主家を逃亡したる者、私に關所を越えたる者、無宿にして浮浪する者の如き微罪を膺懲するが爲に、彼等の使役を希望する百姓に交附して耕作を助けしめたるものをいひ、その使役料は十村等に命じ、使役者より徴集してに上納せしめたり。又川除奉行等に附しての土工に從事せしめしものあり。里子には何れも食料と給とを與ふ。後には公事場奉行より定檢地奉行に引渡し、諸役所の使役に供し、その居所なきものは窮民収容所たる非人小屋に置き、又は宿賃を與へて町方借屋に住せしめき。期間は概ね二年より五年に及び、特に精勤なるものは刑期を減ぜらる。前田重凞寛延中に至り、里子を廢して禁牢に代へ、里子二年に當る者は禁牢四五ヶ月に當つることゝせり。