石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第一章 制度法規

第三節 司法

禁牢は、輕きは二三ヶ月より重きは二三年に及び、その該當の罪状は一々擧ぐべからざるも、多く輕微の犯人に之を科す。禁牢の宣告は、古くは何月何日より何ヶ月としたるが故に、その日數に滿たざる時は假令疾病に罹るとも出獄せしむること能はざりしが、後何月より何ヶ月とし、危急の場合幾分短縮することを得しめたり。但しかく改定したる年月は詳かならず。又長期の禁牢にして、刑の殘餘僅かに二三ヶ月の頃に至り重病に罹りたる者は、正徳四年以降特に年寄許可を得て出牢せしめ得るの制を開けり。又初は藩侯の裁斷に、二三ヶ月禁牢といふが如く不確實に指示せられたる時は、公事場にて三ヶ月目に出牢せしめ、四五ヶ月禁牢とある時は五ヶ月目に出牢せしむるの例なりしが、正徳二年以降二三ヶ月は二ヶ月、四五ヶ月は四ヶ月と解釋することゝせり。且つ行刑の月數滿ちたる時は、その月中旬に於いて出牢せしむるを例とすといへども、老人又は病者に在りては上旬に於いてしたりしが、藩政末期に至り改めて一般にその月初旬の式日に出牢せしむることゝし、判決確定の時既に未決の留置期間にて刑の月數に滿ちたる者は、當日にても出牢せしむることゝせり。