石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第一章 制度法規

第三節 司法

寶永以前に在りては、禁牢三回に及ぶときは、罪の輕重に拘らず死刑に處するを例とせり。然るに正徳三年、先に窃盜犯によりて御領國追放に處せられし者、歸國して窃盜せしを以て三ヶ所御構追放を命ぜしが、幾くもなく復封内に入りて窃盜せり。依りて公事場奉行は、法令に照らして斬せんことを稟請せしが、時恰も將軍徳川家宣の一周忌に會したるを以て、三たび追放し、今後歸國するときは如何なる大赦あるも死刑とすべきことを宣告せり。是に至りて禁牢三回にして尚助命せらるゝことあるの例を開く。しかも寛延元年には、越中戸出村出生の乞丐與三右衞門といふもの、窃盜三回に及びたるを以て斬に處せり。次いで天明六年四月前田治脩は令して、公事場に於いて禁牢に處せらるゝこと三回に及びたる者は、之を死刑に處すること從前の如くなるべしといへども、盜賊改方に於いては禁牢三回なるも尚出獄せしめ、その後更に窃盜を犯せるときは、罪状の輕重によらず、盜賊改方より公事場に護送して死刑に當つることゝせり。