石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第一章 制度法規

第三節 司法

は、親殺・主殺・夫殺の逆罪、放火・子殺、人を殺して窃盜したるもの、十村の職に在りて隱田を企てたるもの、一寺住持の清僧にして女犯破戒の罪を犯せるもの、病馬を遺棄したるもの、徒黨を企てゝ他人の住居を毀壞したるもの、他人の妻に不義を挑みて之を殺害したるもの、博奕に基づきて對手を殺したる者、他人の妻と共に出奔したる僧侶等に科せられ、殊に放火犯及び殺人強盜犯に在りては、市街を引廻したる後磔刑に處するを例とせり。引廻とは、罪人を公衆に示して普く懲戒するの法にして、通常刑の執行前三日間に亙り各町を巡行せしむ。罪人は之を縳して馬上に乘らしめ、人名と罪状とを記したる業札を立て、『出て見さつしやい。』と呼ばしめ、鎗を捧げたる藤内二人之に次ぎ、最後に足輕ありて之を監す。若し罪人にして身體衰弱し、馬に跨る能はざる時は、畚に載せて擔はしめき。